

Episode 2
誰にも理解されなかった街ホテル構想

Episode 2
誰にも理解されなかった街ホテル構想
沖縄市コザの街をホテルのロビーに見立て、中央パークアベニュー商店街の空き店舗をリノベーションし、客室として再生していく―。
そんなユニークな宿泊施設として生まれたのが「トリップショットホテルズ・沖縄コザ」です。
ですが、私たちは最初からホテルを作ろうと思っていたわけではありませんでした。本当にやりたかったのは、コザ、そして沖縄観光を再編集すること。
トリップショットホテルズに込めた私たちのビジョンをお伝えいたします。

ファンファーレ・ジャパン代表
シマタケ

フリペ「Tripshot」で紹介した宜野湾市大山エリア
フリーペーパーから始まった、
体験する沖縄という発想
もともと、私たちが発行していたフリーペーパー「トリップショット」は、観光ガイドには載っていない沖縄を紹介する媒体でした。
テーマは、
“レトロオキナワン”
そして、
“オキナワアメリカン”。
コザや砂辺、南城市―。
地元の人にとっては当たり前だけど、県外の人には新鮮に映る風景を切り取っていました。
その中で、ある想いが生まれます。
「見るだけではなく、実際にこの空気を体験してもらえないだろうか?」
2013年。まだエアビーも一般的ではなく、「民泊」という言葉すらほとんど知られていなかった時代です。
私たちは、泊まれる沖縄カルチャーを作ろうと考え始めました。

1970年代の沖縄市中央パークアベニュー
白羽の矢が立ったのは、
コザの商店街だった
当初は、外人住宅やレトロな物件を探していました。けれど、途中で気づいたのです。
「ただアメリカンな部屋に泊まるだけでは、本当の体験にはならない」
そこで目を向けたのが、私たちのお膝元、沖縄市中央パークアベニューでした。
かつて米軍基地の門前町として栄え、音楽、ファッション、美容文化が混ざり合い、独特のカルチャーを育ててきた通り。80〜90年代には、ミリタリーファッションの街としても賑わっていました。
しかし時代の流れとともに、通りには空き店舗が増えていきます。
だからこそ、私たちは思いました。
「この空き店舗を、宿泊施設に変えられないか?」
もし、この街に泊まれたら。
観光ではなく、コザの日常そのものを楽しめる。
さらに、空き店舗を増やしていけば通り全体がホテルになる。
そんな、今思えば少し無茶な構想が、ここで生まれました。

金融機関にも一蹴された
街中ホテル構想
最初に着手したのは、私たちの事務所と、シゲさんが運営していたプレイヤーズカフェの2階にあった、元美容室の空き店舗。カフェでチェックインしてお客さまを客室にご案内するのです。
しかし当時、空き店舗を宿泊施設にするという発想は、ほとんど前例がありません。当然のように周囲からは不思議がられました。
金融機関も慎重でした。
「本当に成り立つのか?」
そんな空気の中、融資を受けることもできませんでした。
それでも前に進めたのは、街の大家さんたちの理解があったからです。
「面白いことをやろうとしている」
そう信じてくれる人たちが少しずつ現れ始めました。

トリップショットホテルズの2号客室「ルーフトップスター」
手作りだったからこそ唯一無二になった
資金がない。
前例もない。
だから最初の客室は、スタッフ総出の手作りでした。
そして逆転の発想が生まれます。
「新品に作り変えるより、この場所に残っている空気を活かそう」
元美容室だった痕跡。
古い看板。
むき出しの壁。
当時の空気感。
それらを消すのではなく、味として残していったのです。
結果として、すべての部屋のデザインが違う、
沖縄でも類を見ない宿泊施設が生まれていきました。
ただ泊まる場所ではなく、
街の物語に泊まるホテル。
それが、トリップショットホテルズの始まりでした。
そうやって客室が増えて3期目に客室が5室となり、4期目の2019年に一気に5室増やして10室体制となり、いよいよ本格的な街ホテルとしての稼働開始!と意気込んだ矢先に新型コロナウイルスに見舞われます、、
(エピソード3へ続く)
(エピソード1はこちらから)



